KAGONOSUKE

がま磯 カゴスペシャル5(カゴスペⅤ)特集|Ⅳとの違い・全8機種比較・選び方

2026 NEW MODEL / 公式仕様確認

カゴスペシャル5(カゴスペⅤ)は「誰でも曲げて飛ばせる」方向へ進化した

がまかつから、2026年秋冬の新製品「がま磯 カゴスペシャル5」が発表されました。ローマ数字表記の「カゴスペシャルⅤ」「カゴスペシャルV」、略称の「カゴスペⅤ」「カゴスペV」「カゴスペ5」も、いずれも本製品を指す表記として本記事で扱います。今回の主題は、単純な最高飛距離の更新ではありません。各継番の硬さの差を抑え、負荷が掛かった瞬間から竿全体を滑らかに曲げ、投げ手の力を安定して仕掛へ渡すことです。

私はカゴスペシャルⅣでは4-63と3.5-58(B 35-58)をどちらも5年以上使用し、4-53も使ってきました。その中で最も良かった4-53を現在も手元に残しています。カゴスペⅤはまだ所有・実釣していないため、このページではメーカー公式仕様と公開された実釣記事を事実として整理し、長期使用したカゴスペⅣユーザーとしての見方や伊豆での号数選びは「考察」として分けてまとめます。

確認区分:公式仕様・出典確認済み/実物未確認/実釣前。発売後に実物確認・実投して内容を更新します。

カゴスペⅤの進化点は3つ

1. 継ぎ目を感じにくいスムーズな曲がり

公式説明で最も強調されているのは、各節のつながりです。継ぎ目ごとの硬さの差を極力減らし、負荷の大きさに合わせて元竿まで連続的に曲がる設計とされています。投げ損じでも姿勢を崩しにくく、キャストでは入力を仕掛へ伝え、魚を掛けた後は急な突っ込みを竿全体で受け止める狙いです。

2. T1100GにM40Xを加えると、何が変わるのか

カゴスペⅣは高強度素材「TORAYCA® T1100G」とNANOALLOY®技術を採用していました。カゴスペⅤはT1100Gを引き続き使いながら、高弾性率タイプの「TORAYCA® M40X」を追加しています。つまり、M40XがT1100Gを置き換えるのではなく、強度を担うT1100Gと、剛性を担うM40Xを組み合わせる設計と見るのが適切です。

素材タイプ引張強度引張弾性率伸度
T1100G高強度7.0GPa324GPa2.2%
M40X高弾性率5.5GPa377GPa1.5%
東レ公式値。弾性率は素材の変形しにくさ、引張強度は破断まで耐える力の目安です。

M40Xの弾性率はT1100Gより約16%高く、同じ形状なら曲げに対する剛性を出しやすい一方、T1100Gの引張強度はM40Xより約27%高く、伸度も大きい素材です。またM40Xは従来のM40Sと弾性率377GPaを保ったまま、引張強度を4.5GPaから5.5GPaへ22%高めています。高弾性素材の弱点だった強度を補い、遠投竿へ使いやすくした世代といえます。

ここからは素材特性と公表仕様からの予測です。M40Xを必要な部分へ選択的に使えば、①同じ剛性をより少ない材料で確保して軽量化・低モーメント化する、②竿先や胴の戻りを速めてキャスト後の収束を早める、③T1100Gの粘りを残しながら曲がりと復元のバランスを整える、④継ぎ目ごとの剛性差を細かく調整する、といった設計が可能になります。

予測:カゴスペⅤは「全体を単純に硬くする」のではなく、T1100Gでフルキャスト時の強度と粘りを確保し、M40Xを要所に配して、曲げやすさと戻りの速さを両立させた可能性が高い。

ただし、M40Xの使用位置・比率、積層方向、肉厚は公表されていません。素材単体の数値だけで実竿の硬さや飛距離は断定できないため、最終的には実物の曲がり、振り抜き、収束、魚を掛けたときの追従性で確認します。

3. スピニングとベイトを別方向から投げやすく

  • スピニング:リールシートを前作より20mm前方へ配置。引き手に力を入れやすくし、KWガイドで糸抜けを整える設計。
  • ベイト(両軸):負荷に応じて元竿まで滑らかに曲がり、急激な回転上昇を抑えながらフルキャストしやすくする設計。TA・TMガイドを採用。
  • 共通:握りやすいオリジナルリールシートに、餌を触った手でも滑りにくいラバー調マットコーティング。

カゴスペⅤ 全8機種の仕様

モデルタイプ全長自重錘負荷適正ハリス本体価格
S 3-53スピニング5.3m323g5~15号3~10号96,500円
S 35-53スピニング5.3m335g6~18号3.5~10号97,500円
S 4-53スピニング5.3m352g8~20号4~12号98,000円
S 45-53スピニング5.3m367g10~25号5~14号99,500円
B 35-58ベイト5.8m400g6~18号3.5~10号106,500円
B 4-53ベイト5.3m355g8~20号4~12号103,500円
B 4-58ベイト5.8m438g8~20号4~12号110,500円
B 4-63ベイト6.3m480g8~20号4~12号112,500円
がまかつ公式公表値。希望本体価格は税別。35は3.5号、45は4.5号を表します。

カゴスペⅣから数字はどう変わったか

同じ長さ・号数を比べると、カゴスペⅤは多くのモデルで軽量化しています。一方、錘負荷と適正ハリスは同等です。大きな変更は「より硬くした」ことではなく、同じ守備範囲を滑らかに曲げて扱いやすくした点にあります。

モデル価格 Ⅳ→Ⅴ自重 Ⅳ→Ⅴモーメント Ⅳ→Ⅴ仕舞寸法 Ⅳ→Ⅴ
S 3-5370,000→96,500円
+26,500円
335→323g
−12g
44.4→43.1
−1.3
121.5→123.0cm
+1.5cm
S 35-5371,000→97,500円
+26,500円
345→335g
−10g
46.6→46.1
−0.5
122.0→123.0cm
+1.0cm
S 4-5372,000→98,000円
+26,000円
355→352g
−3g
49.3→49.8
+0.5
122.5→123.5cm
+1.0cm
S 45-5373,000→99,500円
+26,500円
375→367g
−8g
53.4→53.4
±0
122.5→124.0cm
+1.5cm
B 35-5876,000→106,500円
+30,500円
398→400g
+2g
60.3→59.6
−0.7
116.0→115.5cm
−0.5cm
B 4-5374,000→103,500円
+29,500円
368→355g
−13g
49.9→48.6
−1.3
125.5→125.0cm
−0.5cm
B 4-5877,000→110,500円
+33,500円
443→438g
−5g
67.8→67.2
−0.6
116.5→115.5cm
−1.0cm
B 4-6380,000→112,500円
+32,500円
488→480g
−8g
82.7→80.6
−2.1
126.0→124.5cm
−1.5cm
B 35-6379,000円→設定なし445g→設定なし72.8→設定なし125.0cm→設定なし
両世代のがまかつ公式仕様を比較。価格はメーカー希望本体価格(税別)、モーメントの単位はkgf・cm。実売価格は異なる場合があります。

価格差は、スピニングが+26,000~26,500円、ベイトが+29,500~33,500円。同型8機種すべてで値上がりし、ベイト4-58の+33,500円が最大です。

モーメントは8機種中6機種で低下、S 45-53は同値、S 4-53だけ0.5増加。B 35-58は自重が2g増えてもモーメントは0.7低下しており、重心が手元側へ寄った可能性があります。逆にS 4-53は3g軽くてもモーメントが0.5増加。持ち重りは自重だけでは判断できません。

仕舞寸法はスピニング4機種が1.0~1.5cm長く、ベイト4機種が0.5~1.5cm短くなりました。携行性を重視するなら、B 4-63の−1.5cmとB 4-53の125.0cmが比較ポイントです。

カゴスペⅣにあったB 35-63はカゴスペⅤでは設定されていません。6.3mはB 4-63のみです。

号数・長さはどう選ぶか

候補向く釣り選ぶ理由
S 3-53真鯛・イサキ・グレ・中型青物最軽量323g。細ハリスと軽快さを優先
S 35-53真鯛から中型青物まで軽さとパワーの中間
S 4-53大型真鯛・大型グレ・大型青物スピニングで太仕掛と大型魚へ
S 45-5310kg超のブリ・ヒラマサ級シリーズ最大の錘・ハリス範囲
B 35-58真鯛・大型グレ・中型青物両軸の飛距離と3.5号の軽快さ
B 4-53磯の大型魚・取り回し重視両軸4号で355g。狭い足場でも扱いやすい
B 4-58遠投と操作性の両立両軸遠投の標準的な長さ
B 4-63広い足場から最大飛距離を狙う長いストロークを使えるが、480gと携行性を要確認

伊豆のシブダイ狙いならどれか

がまかつ公式の対象魚例にシブダイは明記されていません。ここからは、公式の錘負荷・適正ハリスと、伊豆の磯での取り回しから考えた籠の助の考察です。

伊豆のシブダイ狙いでカゴを使い、根際で主導権を渡したくないなら、まず候補にしたいのはB 4-53S 4-53。適正ハリス4~12号、錘負荷8~20号で、5.3mは地磯や小さな足場でも6.3mより振り回しやすい長さです。

私はカゴスペⅣの4-63と3.5-58をどちらも5年以上使い、さらに4-53も使い比べた結果、最も良かった4-53を手元に残して両軸遠投で使っています。そのため、現時点で最も気になるのはB 4-53です。Ⅴではシリーズ中でも大きく軽量化され、竿全体の滑らかな曲がりが本当にキャストの再現性と魚の突っ込みへの追従性へつながるなら、伊豆の実戦向きな一本になる可能性があります。

ただし、遠くへ投げるほど有利とは限りません。シブダイが根際やカケアガリに付く状況では、飛距離より投入精度、仕掛の回収角度、魚を根から離す初動が重要です。B 4-63は魅力的ですが、足場の広さと背後の振り幅を確保できる釣り場向けと考えます。

カゴスペⅣユーザーは買い替えるべきか

  • 買い替えを急がなくてよい人:現在のカゴスペⅣで狙った距離へ安定して投げられ、魚とのやり取りにも不満がない人。
  • Ⅴを触って判断したい人:Ⅳの継ぎ目の硬さ、キャスト時の力み、両軸のバックラッシュ、魚の突っ込みへの追従性に課題を感じる人。
  • 新規購入でⅤが有力な人:初めて上位の遠投磯竿を選び、投げやすさと大型魚への対応を一本で得たい人。

カゴスペⅤは価格が大きく上がっています。公式仕様だけを見る限り、カゴスペⅣが急に古くなったわけではありません。既にⅣを持つ人は「13g軽くなったから」だけで決めず、実際に曲げたときのつながり、リールシート位置、振り抜きの違いを店頭で確かめてから判断するのがよさそうです。

現時点の結論

カゴスペⅤの本質は、飛距離の数字競争ではなく、竿全体を滑らかに曲げて投げ手の力を安定して使えるようにしたこと。カゴスペⅣの4-63と3.5-58を5年以上使い、最終的に4-53を残した私にとっては、軽量化が大きいB 4-53が最注目。ただし、真価は実物を曲げ、カゴを投げ、魚を掛けてから判断します。

参照した一次情報